スギ製N°1

N°1 in Cipresso
スギ製N°1

技術的説明


表面板 - フィエンメ渓谷パネヴェッジョ産スプルー ス、厳格に手作業で割られた板 
側面・裏面 - イタリア産スギ
パーフリング - 全エボニーによる製作
ネック - ヒマラヤスギ
フィンガーボード - エボニー
音叉 - 66
ボディのピッチ - 45Hz(6弦Eに加え約1.5 オクターブ拡張、 第6開放弦=82.4 Hz))
最大共振周波数 - 3002 Hz

この作品の歴史

カヴァリエーレ・セッリット弦楽器製作所で新プロジェクトにより製作された最初の、つまり第二期初の作品。 その為他の作品と異なり名を持たず、ラベルに “N°1”と記されている。 裏板と側面板にスギの選択 ― 毎回新たな設計イノ ヴェーションは最初にスギ製の楽器に実装される のだが、これは音響的観点からこの木材の音色が極めて中性且つ透明である為、実験・評価中の設計の音響性質をより“ありのまま”表す事が出来るからであ る。 深い低音 ― 少年時代を含め一般的にギターリスト としての第一歩を踏み出すべく、気に入った曲を聴きそれを自分のギターで弾いてみようとする際、かの美しいビートルズの“イエスタデイ”が必ずあった。 が、ポールマッカートニーのベースに奏でられる曲の最初の部分はギターでは音響効果として再生不可能だった…。従ってこの極まる低音の拡張は常に悩みであると共に達成すべく目標であった…。そんな訳でN°1に弦が張られ完成した時…最初に弾いた曲は真に“イエスタデイ” だった。 幸い録音によりその瞬間を不滅の物とする事が出来 た。このギターの音、特にその低音周波数拡張を正しく評価する為には、低周波拡張に充分に対応する適切なスピーカーを備えない携帯電話やipad、パソコンでは無く、サブウーファーが装備されている物か少なくとも50 Hzの高質低音から既に再生する事が可能な 機器を使って聴く事をお勧めする。